人間の最も醜い「表と裏」、パーク・ライフ
1日1冊本を読むチャレンジ
75日目は
帯のセールスに惹かれて
読んでみることにした小説
『パーク・ライフ』第127回 芥川賞受賞作品
です
東京の日比谷公園を舞台に
満員電車の車窓から見えた
臓器移植の看板を見たぼくが
うっかり話しかけてしまった女との物語
つかず離れずの絶妙な距離感を淡々と
リアルに描いた作品
と
『flowers(フラワーズ)』の二編
女優を目指す妻とともに上京し
飲料水の運送トラック運転手になった
「僕」の周囲で起こる
不条理な人間関係や夫婦の心の変化を描いた作品
どちらかというと
フラワーズの方がおもしろかった
私の心をハッとさせた一文
「床の間っえ花を飾るための場所たい」と聞いたことがある。ばあさんが「床の間っていうのは、その家の取りたい」と答えた。
「ゆとり?俺には無駄に思える」
「ゆとりってのは、無駄のことさ」
そう言ってばあさんは、白椿の一輪生けでそこを飾った。
この一文を読んで
ゆとりさえ、何かしら
「生産的なことをしようとする自分」に
気づきましたわ!
床の間は、家の中で最も「格」が高く
本来なら権威や格式を誇示するための場所
だと思っている
そこに、
自分のためだけに一輪の白椿を飾る
それって究極の贅沢ではないか、と。
効率やタイパを競う今に
あえて「抵抗」するかのように思えた
ばあさん、すごい!
そして
いちばん心がざわついたのは
「僕」の先輩社員の元旦は
先輩社員の永井の妻と不倫関係
「僕」を不倫に誘い
上司である慎司とも関係を持たせる
三角関係どころか
元旦を中心に多角関係なのだ
社内で慎司から
日常的にパワハラにあっている永井
その日も、
シャワールーム(裸)で
土下座を迫られるが
珍しく謝らなかった
「僕」の先輩、元旦が
土下座の見本を見せるが
その肩に「僕」が蹴りを入れて
他の社員も
一斉に元旦へ暴力を振るう
実はコレ、
パワハラを受けてる永井を救ったのではなく
元旦に対する「不条理」を
「僕」の行動をきっかに
みんなが一斉に牙を向けている
決して
いしめれている人を救うためではない
元旦への溜まった鬱憤を晴らしただけ
それぞれが蒔いた種が
巡り巡ってあの歪んだ結末へと収束していく
因果応報。
淡々とした日常の裏に隠された心の闇かなぁ
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