無双の理科をつくるもの
模試では算数以上の安定度・高得点を誇るこぐま無双の理科。無双できる一つの大きな要因が、物理・化学の本質的理解です。
これがあるからこそ、NN OPレベルの難度の高い問題でも物理・化学分野はほとんど失点することはありません(前回のNN OPも物理・化学は満点でした💯)。
では、この本質的理解がどこから生まれるのか?
物理を題材に、くま先生がどんな感じで「本質的理解」を伝えているか、見てみましょう。
物体の運動の本質とは
問 等加速度直線運動において、ころがしはじめてからの時間がn倍になると、平均の速さは何倍になりますか?
君が間違えたこの問題、物体の運動の本質を理解するのにいい題材なので、もう少ししっかり考えてみようか。たとえばこんな感じで考えてみよう。
雨粒が雲から落下する時の速度の変化を考えてみる。横軸に時間、縦軸に速度をとって雨粒の速度変化を表すとこのようになった。
横軸に時間で縦軸に速さか…ダイヤグラムとは違うし、こんなグラフ、旅人算でも習わないな。
あっ、そうなんだね。でも、これ高校生とかになったらめちゃくちゃよく出るし、書いていることは小学生でも分かるから考えてごらん。
まず、時間が0のとき、つまり雨粒が雲から落ち始める瞬間の速度はどうなる?
落ちはじめだから速度は0だよね。グラフのtが0のときの速度を見ればいいわけか。
加速度ってのは、ある時間の幅でどれだけ速度が変化してるかってしてるかってことだよね、ということは…?
その通り!じゃあ、この雨粒が空気抵抗受けて速度が安定した時刻cのとき、速度や加速度はどうなってるかな?
加速度は最初が一番早くて、どんとんさがってくるんだねー。空気抵抗を受けるからか。あ、でも雨粒って空気抵抗受けても減速はしないんだね。
おー、それはいいとこに目をつけたね。そう、空気抵抗は加速度を下げることはできても、速度を下げることはできないんだよね。加速度を0に近づけることはできてもマイナスにすることはできないと言ってもいいかな。
なるほどね。重力は超えられないってことか。時刻cのときはグラフから速度はbだね。加速度は、もうこの時は雨粒は一定の速度になっているから加速度はほぼ0だね。
その通り! じゃあ、時刻cまでの移動距離と、時刻cまでの平均移動速度は?
距離はこのグラフだとどうなるんだ…? 距離は時間×速さだから…あ、もしかして、これ、面積が距離なるのか。つまり移動距離はSなんだね。おもしろーい! そしてS動くのに時間がcかかったのだから平均速度はS/cだ!
あっ、これって昔やった(※)積分って考え方じゃない??
(※)こぐまは趣味だった数学検定で小3までに高1〜高2数学まで軽くさらっています。高校数学はさすがにうろ覚えですが…。
おぉーっ、すごい! よくそんなの覚えてたね(笑 そうそう、まさに積分だね。速さを時間で積分すると距離になるんだよ。これ、運動の本質っていえるくらい大事な考えなんだよね。
さあ、ここまでわかってたら、等加速度運動で時間がn倍になってたら平均速度が何倍になるかは簡単でしょ?
加速度をbとすれば、時間がnたったあとの速度はb×n、平均速度は1/2 b×n になるから、時間がn倍になれば平均速度もn倍になるということだね。よくわがったぞ!
なんとなく分かるで済まさない
いかがでしたか? 最後の積分うんぬんの話は高校数学までやっていないと分からない部分ですが、そこまでの話は中学受験生なら十分理解できるし、してほしい話だと思います。
学校にもよりますが、中学受験でよくある傾向の一つが、大学受験用の問題を小学生にも分かるように噛み砕いて出題するパターンです。
こぐまの2日目受験予定校の理科がまさにその傾向が顕著で、物理の物体の運動や、化学の水和物をからめた飽和溶液の問題など、大学受験頻出のネタを小学生にも分かるように絶妙に噛み砕いて問題にしてきます。
今回扱ったv-tグラフ(速度と時間のグラフ)は私が勝手に作った問題ですが、上記のような傾向のある学校の入試ではどこかが出題しても全くおかしくないのではないかと思っています

中学受験の理科は、「なぜそうなるのか」の説明がどうしても不十分になりがちで、結局記憶力や直感が優れた人が有利になりがちですが、こうやって、中学受験の範囲をややとびこえて根本的なところから理解することで、本当にわかる状態を作り出すことができ、それがこぐま無双の理科を形作っているのだろうと思います。