好きな音楽
音楽の仕事に携わるようになってもう25年が過ぎました。
…もっとも今では雑貨屋だと思われている節もありますが(笑)
それはさておき、
こんなに長く音楽の仕事に携わっていると、本当に色んな音楽を耳にします。
よく「どんな音楽を聴かれるんですか?」と尋ねられるんですが、
本当に僕、何でも聴くんですよ。
チャートを賑わせている流行りものは全然聴きませんけど…
franc'sをオープンさせる前は、
いわゆる会社員として、地元でチェーン展開してるCDショップの店長を15年近くやっていたから、
ヒット曲なんかにも詳しかったんですけどね。
でも今になって思うと、その当時ってあまり真剣に音楽と向き合っていなかったような気がしています。
いわゆる「お仕事」として音楽をきいていたように思えるんですね。
「良い」、「悪い」じゃなくて、「売れるか」、「売れないか」で音楽を評価していたんです。
僕がそこの店の店長をしていた頃は、CDバブルの真っ只中で、
僕が担当していた店は、かなりの売上がある店だったから、
色んな面でレコードメーカーさんに優遇されました。
月に何度も東京や大阪で行われるライブや、レコ発のコンベンションに招待を受け、
その度に人気ミュージシャンに紹介され、終了後は美味しいものを沢山ご馳走になりました。
まあ、自分の人生の中でも一番輝かしい時期だったのかもしれませんね。
その当時知り合ったメーカーさんの何人かは、今では大切な友人としてお付き合いさせてもらっているし…
正直言って、franc'sを作った後もしばらくの間、「売れるかどうか」の基準で音楽を選んでいました。
長い間、そうやって音楽を判断していたのだから、それも致し方ないかもしれませんが。
でも、そんな音楽の聴き方をしていて楽しいと思います?
まだCDが売れてるうちはいいけど、もはやCDバブルは遠い過去の話になってしまっているんですから。
そうした間にもfranc'sを通じて色んな方々と知り合いになりました。
地元で色々面白い事をやってみようと考えている若者たちやショップのオーナーさん。
その人達と話していると少しずつ、純粋に音楽好きだった頃の自分が蘇ってきたんです。
それで自分達もイベントを企画するようになりました。
お招きするアーティストさんの選択の基準はただ一つ、
それは「自分達がそのアーティストさんの音が好きで、皆に聴いてもらいたい」と思える人。
これだけは自分達の「基本」として、今後も守っていこうと思っています。
そして去年移転の際に、思い切ってCDの在庫を少なくしました。
いくら売れていても「自分達が好きじゃない」CDは店頭から撤去したんです。
お客様にとっては相当衝撃的なリニューアルだったと思います。
今、franc'sのCDの在庫って本当に少ないけれど、ジャンルは相当に幅広いです。
美空ひばりやティーブ釜萢(ムッシュかまやつのお父様)のジャズカバー集があったかと思えば、
その隣りにクラブジャズやエレクトロニカ、アンビエント系のCDがあったりします。
もちろん僕の基本ともいえる70'sシンガーソングライターやモダンジャズも揃っていたり…
この品揃えにはもちろん僕等の嗜好が反映されており、
どれもお客さまに自信を持ってお勧め出来るCDばかりです。
「これ、どこが良いのか解らない」とか、「俺としては好きじゃないんだけどさぁ~」とか言わない分、
この姿勢って、CD屋として結構“誠実”なんじゃないかな~? なんて自分では思っているのですが(笑)