小学1年生の時に、お母さんを
病気で亡くした彼は、小6の今
お母さんのことは、もう
覚えていない… と言った。
お祖母ちゃんが時々、家事を
しに来てくれるらしいけれど、
「 僕と父さんと、二人で
まぁ、平和にやってますよ。
寝る前にはゲームをしたり…
会話はほとんどないけどね!」
「 父さん、前は鍛えていたから
腹筋バッキバキだったんだって。
今じゃ、もう〜
見る影もない!
何でだと思います?
僕の子育てがあったからですよ。
どっちが立派だと思いますか?
ダルんダルんと、バッキバキ!」
… どちらであっても
お父さん、素敵だね。
そう返すと
「 頑張っては、くれていますよ。」
大人っぽく応えてふふッと笑った。
本人曰く、低学年の時の
担任が、とにかく怖くて
学校に来られない時期
が、長くあったらしい。
私はその頃を知らないのだが
学校側はただ、ハレモノに触る
ように、彼を扱っているだけで
彼が抱えている困りごとを
できるだけ正確に把握する努力
を、してはいないように見えた。
大人とはペラペラ喋るが
同世代の集団に入れない。
「 自閉症なんですよね、僕。」
診断を受けた訳ではないが
自分でそう感じるのだろう。
「 どうしたら治りますかねぇ?」
…… 直球で来た。
けれどじゃあ、どうすればいいの?
という問いに対して、それはこう!
と、断言しないと先に進めない
ことの多い現場だけど、ごめん。
私には絶対!は、わからないや。
「 無理に、治そう!
と、するよりも… さ。
こういうシチュエーションは
自分、苦手なんだよな〜 なら、
そういう時はどう
行動しよー?とか
シュミレーションしとくのは
いいかも?だよね。あんまり、
治さなきゃ治さなきゃ、って
考えてると、病みそうじゃん?」
そんなことしか言えず、すまん。
コロナ禍以降で初めて、他学年
集まってでのイベントがあった。
「 えーー。どうしよう。
僕、どうすればいいの?」
これまでなら、即、「出ない!」の
一択だったが… 。迷うなら、出るか?
一緒に、すみっコにいる?
ダメなら途中で出ようか。
そう誘ってみた。
結果、すみっコ仲間があと
二人加わって、隅で固まり![]()
最後は皆の輪に混ざり、地元の
テレビも取材に来たイベントに
何とか参加することができた。
もうすぐ卒業。
中学校は無理だろうって
大人たちは、言っている。
年下の子達とは、校庭で一緒に
遊べるようになったのになぁ…
カウントダウンが、始まる。
どうかどうか、君に幸あれ。

