盛岡食いしん爺日記

<音楽が流れます、音量に注意して下さい。>



温泉に行く度、山の緑が濃くなる。

思えば春の萌黄色が緑になり、秋には燃える紅葉に。

雪が降る頃、全ての葉を山に落とす。

そんな四季の営みは当たり前だと思っていた。

 

 

 

 

 




 

 

Stardust · Rod Stewart

 

 

 

先日、秋田に暮らすある画家の絵を見た。

特に2023年以降の作品。

絵には自然と人との生物の関係性が描かれていた。

何かを物語る、何かを訴えている様な眼の熊。

その身体は山々と森。

「永沢碧衣」

彼女は、マタギになり、狩猟にも関わった。

描かれた山の色は深い群青。

今見ている6月の山の色だ。

顔料の岩絵具の群青に由来し、「青が群れ集まる」の意味を持つ群青。

日毎に緑の濃さが変わる山を見る目が変わった。

 

 

 

 

一本一本の樹が山の森を作る。

眺めている森に獣が潜んで呼吸している。

 

温泉に行き来しながら時々見かけたカモシカ、鹿や猪に穴熊。

実は数十倍も彼らは道端の藪の隙間から、

こちらをじっと観察しているに違いない。

山に懐に入るということは、そういうことなのだろう。

 

 

 

網張温泉、ありね山荘。

広い内湯の南は大きな窓。

雫石の盆地が一望できる。

肩まで浸かり四肢を伸ばしていると、

窓の傍にヤギが3頭。

雪のない季節は辺りを回って草を食べる。

1頭がこちらを見た。

私よりずっと哲学的な顔をしている。



温泉から上がり、外に出ると、

もう辺りは暗くなっていた。

狭くカーブの多い山道をゆっくり走る。

黒い森から獣達に見られているだろうが、不安は感じない。

 

盛岡の街に帰れば山を忘れてビジネスモード。
近頃、恒例の夕飯食べながらの緩い打合せ。

待合わせは、

昭和54年創業、

牛肉の旨味たっぷりのハンバーグが人気の盛岡市カフェレストラン瑠奈。

 

 

 

 

 

 

カップルや家族連れが楽しそうにテーブルを囲む。

 



席と席が離れ、落ち着いてゆっくり料理を味わえる。

緩い打合せには最適。

待つ間にほぼ終了。

 

一緒の方はチーズハンバーグの200グラム。

200グラム以上は熱々の鉄皿にのってくる。

 

 

ハンバーグを覆うチーズ。

近くで見ていると手が伸びそう。

 

 

ご飯は瑠奈のオーナーの田圃で育まれた米を炊く。

これが美味しいのだ。

 

 

 

 

私はエッグハンバーグの200グラム。

 

 

黄身のとろみ加減が丁度いい。

私の好みだ。

たっぷりのデミグラスソースの海に浮かぶハンバーグ。

そこに黄身が流れ落ちる。

ソースもハンバーグもマイルドな味になり、とても美味しい。

 

 

 

 

付け合わせのナポリタン。

細くシンプルな味で懐かしく美味しい。

ニンジン、ジャガイモとコーンもたっぷり。

 



あっという間に食べてしまった。
向かいの人に永沢碧衣さんの話をすると、スマホで検索。

しばらく見入っていた。

「凄いね・・・」とこちらを見た。

ただ頷いた。

「プルシアンブルーの絵具には熊や猪などの血を混ぜるそうだよ。」

「紺青、ベロ藍、ジャパンブルーとも言われ、

昔は、獣の血を混ぜて作ったんだ。」

彼女は、自分で作ったプルシアンブルーで獣の眼を描くという。

時間を忘れて、二人ともスマホを握りながら話した。

気がつくと夜も更けている。

少し慌てて席を立った。

 

今宵も大切な命をいただいた。

私達の血や肉になり、明日に向かって命を繋ぐ。

そんな話になった帰り道。

 

家で眠りに着く前、心から命に感謝した。

珍しく殊勝な心。

これを忘れてはいけないのだ。

隣に猫のルハン君が頭の傍でお座りして私をじっと見ていた。

彼女の絵を見ても言葉にならないし、

凡庸な私には「命は尊いもの」としか語れない。

 

 

盛岡市津志田

昭和54年創業「カフェレストラン瑠奈」

 

 

 

 

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