盛岡食いしん爺日記
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緑が濃い。
樹々がそれぞれに芽を吹き、
萌黄色や新緑の濃い薄いのグラデーションが、
一斉に深い緑色に揃った。
夜になれば凄みすら感じるだろう。
Beegie Adair - What A Difference A Day Makes (Visualizer)
この辺りでカモシカ、穴熊や猪の親子を見たことがある。
樹々や枝葉の陰から、
獣達は身を潜めてこちらを伺っているのだろうか。
今日はチャグチャグ馬コの日。
盛岡の隣の滝沢市の鬼越蒼前神社から盛岡八幡宮まで。
約14キロを着飾った馬が鈴をチャグチャグと鳴らして歩く。
岩手は古くからの馬産地。
農耕場として馬を家族の一員として大切にしてきた。
南部曲がり家やでは人と馬が同じ屋根の下で暮らした。
チャグチャグ馬コの日は仕事を休み、馬を癒した。
奇麗な装束を纏わせ蒼前神社、駒形神社へお詣りした。
そんなことが始まりらしい。
この辺りでは、馬や牛を大切に扱ってきた。
昭和16年(1941)公開の「馬」という映画がある。
滝沢市や盛岡を舞台に高峰秀子が主人公の娘役。
馬を愛する少女の物語。
この映画の助監督が黒澤明だった。
<一昨年の様子>


十年ぐらい前まで、
馬の検査やセリを行う馬検場が盛岡にあり、
建物の一部が残っていた。
以前、馬検場の近くに住む大先輩から聞いた。
近郊から数多くの馬が集められ、
大きな屋根の下を一周する。
すると旧陸軍の軍人が「軍馬御用!」と叫ぶ。
馬の値段は一気に高くなり馬主は大喜び。
大金を手にすると、興奮したまま近くにあった歓楽街で、
一夜を過ごす人もいたらしい。
それで、何日かしてからお金を渡す様になったそうだ。
大先輩の話を聞いていると、
馬が引かれて回る様子が浮かんできたものだ。
しかし、今は跡地に大きな看板と馬の親子像が残るだけ。
昔からの馬事文化の地としてチャグチャグ馬コの行列は貴重だ。
しかし、ファインダー越しの仔馬の目は、
私にはあまり嬉しそうに見えず、
冷静に見物の人々を見ている気がした。
今年は用事もあり見ることが出来なかった。

雫石での用事が済み、緑の中を走った。
毎朝とれたてのミルクで作るジェラートが
大人気で行列のできる雫石町「松ぼっくり」へ。
敷地内に「松の実」という産直もあり、こちらも人気だ。
日中はかなり混むが、夕方になれば並ばずにすむ。
キャラメルとナッツのジェラートを選んだ。
いい香りだ。
口の中で溶けて喉にほどよい甘さを残していく。
新鮮なミルクとナッツの食感が楽しい。
樹々に囲まれたウッドデッキがあり、
そこで食べると殊の外美味しいのだ。
食べ手としては、作り手に感謝したくなる。
さて、そろそろ盛岡の街も静かになっている頃。
ゆっくり帰って仕事しよう。




