力学の最重要概念「一つのものの気持ちになって考える」
先日の早稲アカ理科の課題は「輪軸」でした。
まだ滑車と組み合わせた問題がないので難易度は低めのものばかりでしたが、実は、複数の輪軸をつなげたり、太さが一様でない棒のつりあいを考えさせたりする問題の背後には、今後の入試問題にもつながるとある大切な考え方が潜んでいます。
それは、「一つのものの気持ちになって考える」です。
私はこれこそが力学の最重要概念だと思っていて、私自身、これがわかるまでとわかったあとでは、力学に対する解像度が全然違いました。
ちなみに私がこれに気づいたのは高3の5月のとある日曜日のことで、その時の感動は今でも鮮明に覚えています(笑 曇り空がスカッと晴れ渡ったような感覚で、あれから俄然物理が得意分野になりました。
この問題をきちんと説明できますか?
こぐまの疑問をまとめるに…
こぐまを疑問をまとめるとこのようになります。
・輪軸Aの左側が、左回りの回転力が540になっているのはわかる
・しかしEの回転が左回りなのが右回りなのかわからない
・BでおもりFは右回りのなのだから、Eは左回り(左方向)のように思える。しかしそうするとAは左右ともに左周りになりおかしい
・輪軸Aの左側が左回りなら、右側は右回りのはずでEは右方向(右回り)に力がかかっているはず。しかしそうするとBは左右ともに右回りになりおかしい
…この考え方の穴はどこでしょうか?
ものの立場になって考える
この考え方の穴は、二つの輪軸の存在を同時に考えていることです。
力学の考え方の基本は、
「ある一つの物体orひとに注目して、そこにかかっている力を書き出す」
ことにあります。ポイントは、着目する物体/人は一つだけであるということです。
これをこぐまに理解させるのに苦労しましたが、綱引きの例でピンときたようです。
この綱引きで、左の人は右に、右の人は左に引っ張られていますよね? そしてその力が等しいから綱引きが成立しているのです。
左の人にかかっている力(右向き)を考えるときに、右の人にかかっている力(左向き)のことは考えてはいけない(=左の人のことだけを考える)のです。
先ほどの問題の点Eでも同じ現象が起こっています。
そこで、こぐまに少し意地悪な質問として、改めて、
と聞いてみました。これでピンときたようです。
これが、「一つのものの気持ちになって考える」ということです。
これで感覚をつかんだようで、あとの問題は、くま先生が解くより速いのではと思うほどの猛スピードで、あっというまに宿題を終わらせてしまいました。
太さが一様でない棒の問題やバネばかりに吊るしたてこの問題など、あらゆる力学の問題がこの考え方で見違えるように解像度高く見えるようになるのです。
おそらく、これだけ解像度高く問題をとらえることができれば、中学受験のどんな応用問題も対応できるでしょうし、大学受験まで同じ考え方で対応できるはずです。
その背後にあるものは
この背後にある原理は、「作用・反作用の法則」と呼ばれる物理の基本法則です。私はこれを感覚レベルに落とし込んで理解することに高校時代苦戦していましたが、上記の「一つのものの立場になって考える」(見る立場が変わればかかる力の向きが逆になる)ということだと理解して、初めて物理の考え方の何たるかを理解したように思います。
もし力学で苦戦されているお子さんがいたら、ぜひ参考にしてもらえると幸いです!
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