このコラムについて 

 

このコラムは、元浜学園国語科講師であるくま先生が、最強酷語男子であるこぐまと格闘している経験をもとに、受験で必要な国語力とは何か、そしてそれを引き上げるにはどうすればよいのか、その戦略と戦術をコラムにしてまとめたいと思います。

 

酷語克服のヒントになれば幸いです。

 

 

    

コラム

2年で国語の偏差値を30⇨60にした方法

(毎週土曜日更新)

目次

第1回 酷語男子・女子はなぜ生まれるのか


第2回 受験で必要な国語力とは何か


第3回 各論①語彙力・漢字力


第4回 各論②文法力


第5回 各論③読解体力


第6回 各論④フレーム思考・背景知識

第7回 各論⑤想像力・共感力

第8回 各論⑥解答力

第9回 各論⑦スピード力

第10回 タイプ別酷語の改善方策

第11回 まとめ
 

 

 

受験国語の「掟」、フレーム思考 


受験国語には、決まった読み方の「型」があり、解き方の「型」があります。

 

この「型」を身に着け、「型」通りの思考をして「型」通りに解けば、求められる「解答」にたどり着くことができるようにできています。

 

もちろん、豊富な読書量に支えられて真の国語力を持っている子であれば、「型」にとらわれない自由な発想で、設問者をすら感嘆させるような面白い記述解答をする子もいます(私もそういう子たちをたくさん見てきました)。

 

しかし、そんな話は酷語男子・女子には無縁の世界。

 

酷語男子・女子が受験国語で戦うには、まずはみんながやっている「型」を身に着け、その「型」に従って文章を読み、問題を解く必要があります。

 

 

「読」のフレーム思考と「解」のフレーム思考 


  フレーム思考には、「読」のフレーム思考と「解」のフレーム思考があります。また、論理的文章と文学的文章でそれぞれ要求されるフレーム思考が違います。それぞれ見ていきましょう。


「読」✖️「論理的文章」

論理的文章を読む時のルールを覚えているか、言い換えれば「筆者の主張の要点に線を引ける能力」があるかということです。


これは、ぜひお子さんに聞いてみてください。「論説文、どこに線引いてる?」と。


国語ができる子たちの中には、「なんとなく大事そうなところ」と感覚で解いていて、しかもきちんと読めている人もたくさんいますが、酷語男子・女子が「なんとなく」で読むと全く理解できていなこと請け合いです。


ここはしっかりルール化して自分の中に落とし込んでおく必要があります。


まず、最低限の覚えるべきフレーム思考はこのプチスパで紹介した、「①逆接のあと ②疑問とその答え/反語 ③まとめ言葉のあと」です。組分け偏差値60程度までなら、この3ルールを覚えて実践するだけで、「読」×「論理的文章」で必要な最低ラインはクリアできます。


さらに、論説文が一般論を否定するために書かれるということを意識すると、この①〜③の中でも特にどこがその文章のなかで大事かがつかめるようになります。



こぐまは、この3ルールを徹底的に守ることで論理的文章の理解については著しい進歩を見せました。


「解」×「論理的文章」

論理的文章で設問を解くテクニックのことです。


ここは早稲アカが特に重点的に鍛えているところだと思います。たとえば、

  • 含む一文の原則(棒全部が一文の一部の場合はそれを含む一文全体にまず注目する)
  • 指示語は自分の解答を指示語に代入して検算する
  • 比喩の言い換えは①構造と②イメージを保存する(これは記述題で活躍する便利なテクニックです。後日プチスパで紹介します) 

といったものです。


早稲アカがこの「解」のテクニックに固執しすぎていて、「読」をおろそかにしているのではないかということは以前の記事で何度か指摘しています。



私の考えとしては、フレーム思考獲得の順番としては、「読」のフレーム思考を会得し、文章の大意をつかむ力を得た後で、「解」のフレーム思考を少しずつ身につけ得点力につなげていくというのが良いと思います。


「読」×「文学的文章」

文学的文章を読む際のルールのことです。


お恥ずかしながら、私はこの部分については、論理的文章と同じレベルの自信を持って、「〇〇をすれば偏差値60レベルになる!」と言い切れるだけのものを見つけ出すことはできていません無気力無気力


抽象的には、

  • 事実→心情→行動の流れや、情景が心情の反映であることに注意して、人物の心情の変遷をつかむ
  • 象徴的な出来事により、主人公の心情がマイナスからプラスに転じるという物語文の典型パターンをつかむ

とかあるのですが、どうしても、本文に直接書かれていない人物の心情を、前後の文脈をヒントに「想像」しなければならず、それが(いかに非酷語人間には当たり前の常識的な「想像」であったとしても、)酷語男子・女子には大きな壁になってしまうのです。


たとえば、幼きこぐまに、

  • 努力して準備したテストで100点を取って涙を流した時の心情
をきいたとき、「え、なんで泣くの?僕は嬉しい!ってなるよ」といった感じで、他者の気持ちを想像するということ自体が想像できない感じでした。


流石に今はそういうことはないですが、文脈を理解して他者の気持ちを想像する力というのは、フレーム思考のインプットといったテクニックでどうなるものでもないのではないか、というのが今の私の考えです。そういうこともあり、ここは、「共感力」として別項目で論じたいと思います。


この点、以前他のブロガーさんが、物語文をお子さんに教えるときに、具体的に情景や生活をイメージできるよう話をインプットすることで、子供が心情把握に脳のリソースを避けるようにフォローするということをおっしゃっていて、なるほどと思いました。心情把握する基礎的な力はあるけれど前提知識の不足が心情把握を阻害しているケースではこの方法はかなり有効かもしれません(これも後で論じたいと思います)。


「解」×「文学的文章」

文学的文章で問題を解くテクニックのことです。

論理的文章と違い、文学的文章での「解」に関するテクニックはそれほど多くはありません。


必須級のものとしては、

  • 事実→心情→行動が因果関係になっていることを利用して記述を解く(たとえば、「満点を取れてガッツポーズした」場合、「ガッツポーズした」の理由を10字以内で答えよと問われて、「満点をとれたから」と答えるのは受験国語としては0点。「うれしかったから」が正答。)
  • 心情変化の場合、「以前はAと思っていたが、BをきっかけにCと思うようになった」も3要素を入れる。

といったものがあります。


ただ、いずれも心情把握がきっちりできることがこのテクニックを使える大前提となるので、このテクニックだけ身につけても問題がすぐに解けるわけではないことに注意が必要です。


他方、物語文で記号は解けるのに記述はできないという子は、この「解」のフレーム思考を鍛えれば、短期で劇的に成績(特に記述力)を上げることも可能になります。


なお、なお、比喩変換や指示語問題の原則などは、論理的文章に多いパターンの問題ではあるものの、文学的文章でも出題されることもままあります。


 

まとめ 

 

以上、4つのフレーム思考に分けて説明しました。


4つのフレーム思考のうち、どこが得意でどこが不得意か、あるいはどこが伸びやすくてどこが伸びづらいかは個人差があります。まずは得意なところ、伸びやすいところに注目してそのフレーム思考力を伸ばしてやり、酷語に対する拒否反応・苦手意識を少しでも払拭してやることが、酷語男子・女子脱出への第一歩になります。


なお、これらの4つのフレーム思考をしっかり項目として区別し、わかりやすくまとめているテキストといえば、みなさんご存知の「塾技」がやはり良いと思います。



これをやる時も、やみくもに最初からやるのではなく、お子さんに必要なフレーム思考のところに力点を置いてやるのが良いと思います。

 

 

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元浜学園国語科講師で自身中学/大学/院/国家Ⅰ種/司法試験とあらゆる試験を一発合格してきた自称「受験のプロ」で、現役弁護士でもある「くま先生」が、国語が大の苦手な息子のこぐま(早稲アカから27中受予定)に伴走する受験記
 

 

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