このコラムについて
このコラムは、元浜学園国語科講師であるくま先生が、最強酷語男子であるこぐまと格闘している経験をもとに、受験で必要な国語力とは何か、そしてそれを引き上げるにはどうすればよいのか、その戦略と戦術をコラムにしてまとめたいと思います。
酷語克服のヒントになれば幸いです。
「時間がなくて」解けないのか、「時間をかけても」解けないのか?
国語の点数が伸びなくて困っている場合に、まず見極めてほしいことは、お子さんが「時間がなくて」解けていないのか、「時間をかけても」解けていないのかということです。
もちろん、「時間をかけても」解けない場合のほうが重症で、多くの酷語男子・女子はこの状態にあると思います。そして、この状態をなんとか「時間をかければ」解ける状態にもっていくことが、酷語脱出の第一歩になります。
日々の宿題は制限時間不要
「時間をかければ」解ける状態にもっていくために、まずやるべきことは、「解ける」という成功体験の蓄積です。
日々の宿題について、算数などは集中力を高めるために制限時間を設けるという方法も効果的でしょうが、酷語男子・女子については、国語の宿題に制限時間は不要です(ただし、成長度合いの計測ができるため、実際にかかった時間は計っておくとよいです)。いくら時間がかかってもよいので、あせらせず、まずは自分で満足・納得のいく答案を書きあげさせることが第一です。
そのうえで、時間をかけても間違ってしまうのはなぜなのか? を分析していくことになります。
その原因は、これまで各論①~⑤で述べてきた力のどこかに必ずあります(1つではない場合も当然多いですが…)。
そこを特定し、各論①~⑤で述べてきた対策を講じることで、できだけ早期に「時間をかければ」解ける状態にもっていくことが重要です。
ちなみに、根っからの理系でロジカル思考は得意だが想像力・共感力に致命的な問題を抱えるこぐま
は、説明的文章についてはフレーム思考を身に着け(各論④フレーム思考の獲得)、継続的に読解問題をこなす(各論③読解体力の強化)ことで、小5の秋頃には「時間をかければ」解ける状態になりました(語彙が言い回しが難しく理解できない文章=各論①語彙力に起因して対応できない文章を除く)。こうなると、少なくとも説明的文章については自走が可能になるので親の負担が一気に減ったことを覚えています。
ただ、残念ながら物語文についてはいまだに「時間をかけても」解けないことがままあります…![]()
記述題の「解答力」と記号題の「解答力」
ある程度訓練を重ねで問題が解けるようになってくると、大抵の子は
- A: 記述は(時間をかければ)そこそこ書けるが記号題は(時間をかけても)なかなか合わない
- B: 記述は(時間をかけても)全然書けないが記号題は(時間をかければ)そこそこ解ける
私の経験では、算数や理科が好きな理系酷語男子・女子は意外にAパターンの子が多いです。こういう子は、本質をざっくりつかむ力(理系には必須の能力)には優れている一方で、選択肢間の細かいニュアンスの違いに気を配ることが苦手です。この改善には選択肢に特化した解法(フレーム思考)を身につけることが必要ですが、それでも語彙力の問題でつまずくことが多く、なかなか記号題が解けるようになるのは苦労します。
他方、Bパターンの子はたいてい酷語男子・女子の仮面をかぶった(酷語ではない)国語男子・女子です。つまり、ニュアンスをかぎとる勘に優れているからこそ記号を正解できるわけで、こういう子は記述題のテクニックを軽く仕込めばすぐに国語得意男子・女子に変貌できます。Bパターンの子は読書量は多いけど机には向かうのが嫌いな子などが典型的です。
記述題ばかりの最難関中入試は酷語男子・女子には実は有利?
実は、最難関中の国語がおしなべて記述題ばかりというのは、Aパターンの多い酷語男子・女子には有利な環境です。
Aパターンの子は、記述題であれば訓練次第でそこそこ書けるようになります。その労力は記号題を解けるようにするための労力と比べるとずーっとマシです。
そして、記述題は国語が得意な子でも満点や9割はとれず、せいぜいうまく書けて6割や7割の部分点が関の山です。そういうなか、つたない表現ながらもポイントだけはつかんだ答案を書いて4割〜5割もらえれば、国語が得意な子との差は最小限で済み、得意教科での逆転が可能です。
国語については、逆説的ですが、酷語男子・女子こそ記述題いっぱいの最難関中をめざせ!ということになります。
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