このコラムについて
このコラムは、元官僚として霞ヶ関・永田町界隈でお国のために汗を流していたくま先生が、なかなか外からはうかがい知れない公民の裏側を面白おかしくお伝えするものです。
コラム
元官僚のくま先生がこっそり教える
公民の裏側
(毎週土曜日更新)
目次
第9回 スペルミスが命取り!?
条約交渉の現場
第10回 まるでシンゴジラの世界…
官邸危機管理センター
第11回 ここまでする!?がんば
れ黒子の官僚たち!
条約交渉の現場とは
歴史で習う「条約交渉」。陸奥宗光や小村寿太郎による不平等条約の改正が有名ですが、条約交渉の現場とはどのようなものなのでしょうか?
実はくま先生も条約交渉の現場に携わったことがあります。
基本的には、くま先生は戦略の立案担当(ここまでだったら譲れるが、これ以上は譲れないとか、この条件を飲むのだったらこういう留保条件をつける必要があるといった判断)で、実際海外を飛び回ってフロントで交渉を行うのは別の方でしたが、東京で条約交渉(ラウンドと呼びます)が行われたときは私も交渉団の一員として参加させてもらいました。
条約は、大きくは二国間条約と多国間条約に分けられます。私が参加したのは多国間条約のほうでした。
条約交渉の現場は、いうなれば「壮大なグループワーク」といったところでしょうか。
この条約は様々な内容を含む大きなものだったので、交渉も多くの作業部会に分かれていました。
私が参加した作業部会では、円卓の司会者席に条約の素案を書くPCがあり、まずはここにだれが座るかがポイントになります。
私の時は某超大国の方が当然といった感じで周りを押し除け座ってきました。そのPCを囲み、右から左から皆で意見を言い合うというカオスな状況で条約交渉が始まります。
ある程度大きな修正を入れようとする場合には仲間づくりが重要。同じ利害を有していると思われる他国に声をかけ、戦略が一致した場合には共同の意見として修正を迫ります。
多数決で決まるわけでもなく、ロジックの正しさで決まるわけでもなく、声の大きさ(複数の国の声を代表しているかという抽象的な「声の大きさ」と、単に声量が大きいか、相手を威圧できるかという物理的な「声の大きさ」と双方が大事)で決まるような、不思議な空間でした。
くま先生もなにか言おうかと思いましたがとても入れる雰囲気ではなかったです(そもそも留学前でしたし。語学力が圧倒的に不足…でも仮に英語ができてもあの輪に入れる気がしない…)。
幸い、フロントで普段交渉を行ってくれている方は海外大を学部で出ていて、英語でケンカできるという、省内でも稀有なお方でしたので、実際の交渉はその方にまかせっきりでした…。
ああいう空間でもしっかりを自分の声を大きくはりあげられる人が優秀な外交官・条約交渉官なのでしょうね。
思いがけないトラブルに遭遇!
その条約交渉の現場ですが、実は開始時に大きなトラブルがありました。
私が会場につくと、外務省の方々が大慌てで右往左往しています。いわく。「はやく、差し替えて!」「プリンタないの!?」…と。
なにがあったのか?
なんと、参加国の一つであったベトナムのネームボードのつづりを、
Vietnum(正しくはVietnam)
としてしまったとのことで、ベトナムの代表団が激しく怒っているとのこと![]()
しかもこの会議は、霞が関から少し離れた共用会議所という会議専用施設でやっていたので、どうやら職員のパソコンからプリントアウトして差し替えるのもすぐにはできない様子…。
それで大慌てしていたようです。
結局しばらくして差し替えられ、無事事なきを得たようではありましたが…。
こんなことがないように、皆さんのお子さんも、中学受験終えたら、英語の勉強はしっかりとやっておかないとですね!
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