父が最期に聴いたもの | 水面に浮かぶ水銀の月

水面に浮かぶ水銀の月

下級役人から見た、教育現場の内実や子ども達との日々を、愛を込めて発信しています。

恐らく、子どもの頃に放置

された中耳炎が元となって


片耳が聴こえず、亡くなる前は

もう片方の聴覚も弱かった父が



「 お姉ちゃんが弾いているその曲、

いいね。」 と褒めてくれたのは


辻井伸行さんが 『 かなしみ 』

と名付けた、月光ソナタだった。




 こんな風に弾けたなら ショボーン


 私が弾いていたのは第1楽章 



子どもの頃に通って
いた、音楽教室では

おじいちゃん先生がピアノ 🎹
息子の若先生がバイオリン 🎻

を、それぞれ教えていらした。


本当は、バイオリンの方を
やってみたかったのだけど

バイオリンは体の成長に合わせ
買い換えなければならない、と

却下されて、当時、実は

 ❛ 親たちにとって ❜ こそ、
憧れであったのであろう

ピアノの方を ❛ 習わさせ ❜ られた。
 贅沢なことなのにすみません 赤ちゃんぴえん



でも、『 青のオーケストラ 』
とか観てしまうと、やっぱり

弦楽器をやってみたいな〜

フルートと、トロンボーンなら
吹奏楽部で経験があるのですが。




自宅看護の末、亡くなった父は
文字通り、骨と皮だけになって

もはやこちらの声にも
反応しなくなっていた。


それでも何と言っていいのか、
逝ききれない… そんな様子に

魂が、少しでも安らいで
くれれば… と小さな音で

よく弾いていたカノンをかけた。



その後、程なくして
旅立って行った父の

ほぼ聴こえなくなっていた耳には
どのように聴こえていたのだろう。



父は静かに涙を流していた。






今日は、父の命日。


誰にとっても、この世で最期に
見るもの、聴くものが、どうか

美しく安らかなもので
あってくれますように…