高所で作業をする、鳶 (職人) さんは
事故が、イコール
死に繋がりやすい。
夫の持ち場の隣のエリアで
亡くなった鳶さんは、まだ
20代前半で、幼い子がおり
若い奥さんは、妊娠中だった。
自分の持ち場でなくても
死亡事故の場合は特に
他のエリアの責任者も
事情聴取の為、警察に呼ばれる。
「 何時になるかわからないから
先に寝てて。」と言って、夫が
帰宅したのは、朝方4時だった。
妊娠中の奥さんの具合
が悪くなってしまって
奥さんが休んでいる間、
上のお子さんの面倒
を見ていたらしい。
「 懐かれちゃって…
ほっとけないもんね。違う
会社の人間だからと言って。」
よほどの爆発事故でもない限り
職人さんの事故など
一切、報道されない。
しかし、私たちが日頃、何気なく
享受しているエネルギー等の裏で
年間の交通事故による死者数よりも、
多くの職人さんが亡くなっています。
「 ただ、ほとんどの事故は、」
様々な職を転々としてきた夫の
結局、一番長くいる現場に
関しての、見立てによれば
「 防げたはずなんだよね。
どうにもならなかった… と
いうものはせいぜい、全体の
1〜 2% 程度で。」
だから大事なのは、教育 だと言う。
ただし、何せ相手は
素直には人の話など聴けずに
育って来られた、荒くれ様達。
理論経験値だけ、は高い
旧帝大出の技術者などは
理屈をひけらかしては
「 ならそれで、オマエが
一人でやってみろよ。」と
職人さん達にボイコットされ
トイレでしょっちゅう
泣いていたらしい。(^_^;)
「 言うことを聞いてもいい、と
思ってもらえないと、ホントに
呆気なく亡くなるからね。」
そう言って、年間に7日も休まず
死亡事故ゼロで勤めてきたことは
父親不在で、家族は寂しかったが
誇っていいことだ、と今では思う。
そして
教育って、授ける側の思惑は
ともかく、突き詰めれば本来
『 無駄に 死なない 』為に
受けるものかもな、と
思ったりもしています。


