「ほろにがい」と「あまずっぱい」

どちらもよく聞く言葉ですよね

では
この二つの違いを子どもに聞かれたら
どう答えますか?

意外と難しいですよね



もともとは
どちらも味の言葉です

秋なら
さんまのワタやぎんなんの
少しだけ苦いけれど
なぜかおいしい味が「ほろにがい」

りんごのように
甘さの中にきゅっとすっぱさがある味が
「あまずっぱい」

ところが
この言葉は気持ちを表すときにも使われます

「ほろにがい思い出」
「あまずっぱい気持ち」

ここで子どもたちはつまずくのですね


アメリカの心理学者が
「甘い」「冷たい」「かたい」のように
物にも人にも使う言葉を
子どもがどう理解するか調べた研究があります

小学校に入る前の子は
物の意味しか分かりません

「冷たい人ってどんな人?」と聞かれて
「あったかい服を着ていない人」
と答えた子もいたそうです


7〜8歳ごろから
人の様子にも使えるようになり

物の味と心の様子のつながりを説明できたのは
11〜12歳でも一部の子だけでした



11〜12歳…
ちょうど中学受験をする年です

 



入試の物語文では
こうした気持ちの言葉がどんどん出てきて
「このときの気持ちを説明しなさい」
と問われます

 

一部の子しか説明できない言葉を

中学受験では早い段階から使えるように

学習するのです

 


言葉を知らなければ
文章の中の気持ちも素通りしてしまいます

言葉の感性はゆっくり育つもの

6年生になってから
言葉の意味だけ覚えても
なかなか使える言葉にはなりません


だからこそ
小さいうちから育てておく意味があります

 

 




まずは
本物の味をたくさん知ること

そして
その味に大人が言葉をそっと添えること

「ちょっとにがいけど、おいしいね
これが、ほろにがい」

「甘いのに、すっぱいね
これが、あまずっぱい」

体で知った味は
心の言葉の土台になります

すると
物語の中で「ほろにがい」に出会ったとき

ちょっとつらいけど
いやなだけじゃない
あの味のような気持ちかな

「あまずっぱい」に出会ったとき

うれしいのに
胸のあたりがきゅっとする
あの味のような気持ちかな

と、想像できるようにしたいのです



味わったことのない言葉は
なかなか自分のものになりません


今夜の食卓で
「これ、どんな味?」
と聞いてみてください



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